TYPICA編集部

2020.08.09

【トップ100・チャート】今週のピックアップ(08/09付)、Cardi B / 米津玄師 / Dominic Fike / Daichi Yamamoto

毎日更新されるTYPICAオリジナル楽曲チャート。チャートにランクインされた楽曲のなかから、特に注目の楽曲をまとめてピックアップします。



Cardi B / WAP (feat. Megan Thee Stallion)

米ニューヨーク・ブロンクス出身のラッパー、Cardi B(カーディ・B)。08/07(Fri)にリリースされた待望のニュー・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナル・シングルとしては、2019年5月にリリースされた「Press」以来となる、およそ1年2ヶ月ぶりの新作に。今年に入って、新型コロナウィルス感染拡大が世界的に深刻化するなか、03/11(Wed)にインスタグラムに投稿した動画のなかで、先行きの見えない事態に対しておなじみの口調で懸念を表明。すると数日後、プロデューサー・iMarkkeyz(アイマーキーズ)が動画の発言をサンプリングならびにリミックスした楽曲「Coronavirus」を発表すると、一連のダンスチャレンジが生まれたほか、全米チャートにランクインされるなどのバイラルヒットを記録。楽曲の収益を、新型コロナウィルスで経済的問題を抱えている人たちに寄付することも明かしており、ひきつづき変わらぬ注目を集めています(コロナ禍当初には、アジア人に対する暴力および外国人差別を止めるよう言及していたことも)。

そんななか、2019年の時点からニュー・アルバムの存在を仄かしているなか、そのリード・シングルとしても噂されている、本ニュー・シングル「WAP」(「Wet ass pussy」の略語)。ゲストには、今年リリースしたEP『Suga』や、リミックス・シングル「Savage Remix (feat. Beyoncé)」などで大きな注目を集める一方、Tory Lanez(トリー・レーンズ)から2発銃撃された事件で不安視されている、米テキサス州ヒューストン出身のラッパー / シンガーソングライター、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)をフィーチャー。プロデュースは、Ayo & Keyz(エイヨ & キーズ)コンビが手がけ、トラックのイントロには、Frank Ski(フランク・スキー)「Whores In This House」(1993年)のボーカルが、直接サンプリングされており、2人にとって初のコラボが実現されています。

そして、売春婦に扮した2人が登場するMVには、Kylie Jenner(カイリー・ジェンナー)、Normani(ノーマニ)、Rosalía(ロザリア)、Mulatto(ムラート)、Sukihana(スキアナ)、Rubi Rose(ルビー・ローズ)など、Cardi B(カーディ・B)が「個人的に好きな女性たち」と称するスターたちがカメオ出演(一部リスナーのあいだでは、カイリー・ジェンナーのキャスティングをめぐって議論が起こっている模様)。MVの過激な演出には、YouTubeからポリシーに則った表現緩和が求められていたものの、公開後わずか24時間でMV再生回数2,650万回を超える、女性コラボ史上最大のデビューが達成された模様です。未聴のリスナーはぜひチェックを。



米津玄師 / 感電

徳島県出身のシンガーソングライター / プロデューサー、米津玄師。08/05(Wed)にリリースされた待望のニュー・アルバム『STRAY SHEEP』の収録曲が、チャートに多数ランクインされました。

オリジナル・アルバムとして、2017年11月にリリースされた『BOOTLEG』以来となる、およそ2年9ヶ月ぶりの新作に。本ニュー・アルバム『STRAY SHEEP』について、先日公開されたインタビューによれば、新型コロナウィルス感染拡大の影響の最中、外出制限期間に自宅で過ごしていた3ヶ月のあいだに、1人でアルバム制作に取りかかっていたとのこと。本来ならば、今年2月から開催中だった全国ツアー「米津玄師 2020 TOUR / HYPE」と並行したアルバム制作を予定していた模様で、全国ツアーの振替公演ふくめて中止となり、大きく社会が変化していくなか、当初考えていたという「『Lemon』から始まった2年半をストーリー仕立てで見せていく」アルバムとは、全く違う内容になったことを明かしていました(ツアータイトルになっていた「HYPE」は、もともとはニュー・アルバムの収録曲として作ろうと思っていたものの、最終的に未収録となった楽曲タイトルから由来している)。

初動売上の時点でキャリア初となるミリオンセールを達成した、本ニュー・アルバム『STRAY SHEEP』。2018年からリリースされているシングル「Lemon」「Flamingo」「TEENAGE RIOT」「海の幽霊」「馬と鹿」を筆頭に、Foorin、菅田将暉に楽曲提供した「パプリカ」「まちがいさがし」のセルフカバー、TBS系テレビドラマ「MIU404」主題歌として書き下ろした「感電」、さらに野田洋次郎(RADWIMPS、illion)をフィーチャーした楽曲「PLACEBO」を含む全15曲が収録されており、その多くには、収録曲「海の幽霊」以降からタッグを組んでいる作曲家・坂東祐大が、共同アレンジ、ピアノなどで全面的に参加。自宅での自問自答を経て「生きていくことや生活していくことを肯定する曲を作る」という考えのもと、多くの新曲が書き下ろされた模様です。

そして本ニュー・アルバム『STRAY SHEEP』のリリースにあわせて、2010年からハチ名義で発表していた全作品が、各種ストリーミング配信サービスで解禁されたことも話題に。さらに、08/07(Fri)にバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」で、バーチャルイベント「米津玄師 2020 Event / STRAY SHEEP in FORTNITE」が開催され、(これまでと同様に米津が手がけている)ジャケット・アートワークの羊のマスクを被ったCGキャラクターとなった米津が、約30分のパフォーマンスを披露していました。あわせてぜひチェックを。



Dominic Fike / Cancel Me

米フロリダ州ネイプルズ出身のシンガーソングライター / ラッパー、Dominic Fike(ドミニク・ファイク)。07/31(Fri)にリリースされた注目のデビュー・アルバム『What Could Possibly Go Wrong』の収録曲が、チャートにランクインされました。

10歳からギターを弾き始め、Jack Johnson(ジャック・ジョンソン)、Blink-182(ブリンク182)、Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)などを愛聴しながら、地元の友人らとのコミュニティ「Backhouse」で、ラップ・ミュージックを制作していたという、Dominic Fike(ドミニク・ファイク)。高校時代からネットに楽曲をアップし始め(現在はほとんどが削除されている)、2016年にはフリーEP『Dishwasher』を自主制作するなか、警察官への暴行による2ヶ月間の自宅軟禁中に制作したという、6曲入りEP『Don’t Forget About Me, Demos』を、2017年末に公開。しばらくして、拘置所に収監されているあいだに行われたという大手レーベルの争奪戦の末に〈Columbia Records〉と約400万ドルの契約を結んだことで、当時大きな話題となりました。

2018年には、欧米各国でバイラルヒットを記録し、バラク・オバマ元大統領が選んだ「FAVORITE MUSIC OF 2019」にも登場した、デビュー・シングル「3 Nights」を発表(同年10月には、先述した『Don’t Forget About Me, Demos』がデビュー・EPとしてオフィシャル・リリース)。2019年にシングル「Açaí Bowl」「Phone Numbers」「Hit Me Up」などを連続リリースし、BROCKHAMPTON(ブロックハンプトン)のリーダー・Kevin Abstract(ケビン・アブストラクト)によるフックアップを受けつつ、ソロ・EP『Arizona Baby』(2019年)にもゲスト参加。今年に入ってリリースされた、Halsey(ホールジー)のアルバム『Manic』でもフィーチャーされるなど、さらなる注目が集まっています。

現在も世界各国で運動が続いている「Black Lives Matter」(ブラック・ライヴズ・マター)を考慮して(過去に自らの家族が警察官から不当な暴力を受けていたことを告白)、当初の予定から3週間の延期を経てリリースされた、本デビュー・アルバム『What Could Possibly Go Wrong』。リード・シングル「Chicken Tenders」「Politics & Violence」を含む全14曲が収録されており、これまでたびたび共同制作してきた、Julian Cruz(ジュリアン・クルーズ)をエグゼクティブ・プロデューサーに迎えたほか、Kenny Beats(ケニー・ビーツ)を筆頭に多数のプロデューサーが参加しています。

なかでも収録曲「Cancel Me」は、有名人に対するキャンセル・カルチャーが横行する昨今において(家族と一緒に過ごせる時間のために)「キャンセル」されても構わないことを歌ったミドルナンバーとなっており、リード・シングル「Chicken Tenders」「Politics & Violence」とともに、MVとしても公開されています。あわせてぜひチェックを。



Daichi Yamamoto / Blueberry

京都出身のラッパー / インタラクティブ・デザイナー、Daichi Yamamoto。08/12(Wed)にリリースされる注目のニュー・EP『Elephant in my room』のリード・シングルが、チャートにランクインされました。

オリジナルとしては、2019年9月にリリースした1stアルバム『Andless』以来となる、およそ11ヶ月ぶりの新作に。同年には、東京と京都で開催したリリース・パーティーを成功させたほか、先述した1stアルバム『Andless』が、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION )が立ち上げた作品賞「APPLE VINEGAR – Music Award – 2020」の特別賞に選出されたことでも話題に。

また今年に入って、KANDYTOWNのメンバーである、Gottz、MUDを客演に招いたリミックス・シングル「Escape Remix feat. Gottz, MUD」を発表したほか、Netflixで現在配信されている、湯浅政明・監督のオリジナルアニメシリーズ「日本沈没2020」スペシャルPVでラップを披露。さらに、kZm、KOH、AARON、Michael Kaneko、などのアルバムに客演参加しているほか、Hermitude(ハーミテュード)のリミックス・シングル「OneFourThree – Remix (feat. Buddy, BJ the Chicago Kid & Daichi Yamamoto )」でフィーチャーされるなど、さまざまな活動が続いています。

本ニュー・EP『Elephant in my room』には、八村塁が出演する「リポビタンD」TVCMに楽曲提供した「Splash」を始め、新型コロナウィルス感染拡大による外出制限期間中に、京都の自宅にこもって制作したという全6曲が収録。プロデューサーは、先述した1stアルバム『Andless』から引き続き、grooveman Spot、KM、QUNIMUNE、が参加しているほか、Flat Stanley(フラット・スタンリー)の初参加に加えて、活動に大きく影響を受けたアーティストの1人という、5lackが唯一の客演ならびにプロデュースも務めています。また収録曲「Netsukikyu」には、Hikaru Arata(Dr)、Kan Inoue(Ba)という、WONKのメンバーが参加している模様です。

そして今年9月に開講予定という、ヒップホップ・アーティストに必要な知識を学べる中高生対象の講座「Beat, Flow and Promotion」に、ラップ・ミュージック制作の講師として招かれているほか、09/16(Wed)にリリース予定というミニ・アルバム、STUTS『Contrast』に客演参加することが発表されています。あわせてぜひチェックを。


以上、今週のピックアップでした。

Text by Ishikawa Takato

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