Switch 2の売上は好調、しかし画面には課題も
Nintendoの最新ゲーム機「Nintendo Switch 2」は発売からわずか4日で350万台を販売し、前世代機を大きく上回るスタートを切りました。Switch 1も当時は大きな人気を博しましたが、Switch 2はその後継機として、スペック・性能の両面で進化を遂げています。
しかし、すべてが順調というわけではありません。注目されていた画面性能については、期待外れだったとの声も上がっています。レビューを行った技術系メディア「Monitors Unboxed」によれば、Switch 2の液晶パネルは反応速度が非常に遅く、さらにHDR機能も実質的には“名ばかり”であることが明らかになりました。
高性能なSoCを搭載するも、画面は大きな弱点に
Switch 2には、NVIDIAの新型チップ「Tegra T239」が搭載されており、前世代の「Tegra X1」と比較して最大10倍の処理能力を実現しています。これにより、ポケモン スカーレット・バイオレットといった既存タイトルも、より高解像度かつ60FPSで快適にプレイできるようになりました。
本体はより大きくなったJoy-Conを採用し、操作性の向上も図られています。また、7.9インチのIPS液晶ディスプレイは、フルHD(1080p)表示に対応し、120HzのリフレッシュレートとHDR表示もサポートしています。
しかし、実際には多くのゲームが60FPS以下で動作しており、120Hzの恩恵を受けられるタイトルはほとんど存在しません。それに加え、問題視されているのが“反応速度”です。
反応速度は従来機以下、HDRも事実上機能せず
液晶モニターの反応速度は、ゲームの滑らかさや残像の少なさに直結する重要な要素です。しかし、Switch 2のパネルは平均33.3msという極めて遅い応答速度を記録しており、標準的なPC向けIPSモニター(約6.3ms)と比べても著しく劣っています。
比較表によれば、PC用の最も遅いIPSモニターでも18.9msであるのに対し、Switch 2はその約2倍。HDR表示についても、実際のコントラスト比が低いため、真のHDR体験とは程遠いとのことです。
Mario Kart Worldのアップデートが物議
さらに、Nintendoは「Mario Kart World」におけるオンライン対戦の仕様を変更し、多くのファンから批判を受けています。6月に配信されたバージョン1.1.2では、ワイヤレスVSレースでの「ランダム」サーキット選択に手が加えられました。
これまでは「ランダム」選択を使うことで、“中継区間”と呼ばれる長距離移動を回避し、すぐに本格的なレースに突入できる仕組みを活用するプレイヤーが多くいました。しかし、アップデートによりランダム選択が近隣サーキットも対象に含むようになったことで、再び中継区間を強いられるケースが増えています。
ファンの反応は否定的、意図的な介入との見方も
この変更により、3周制の従来型レースを希望する多くのプレイヤーにとって、快適なプレイ体験が損なわれる結果となりました。ゲームフォーラム「ResetEra」では、このアップデートに対する批判的な声が多く投稿されています。
一部では、Nintendoがプレイヤーの行動傾向を見て意図的に仕様変更を行ったとの見方も出ていますが、結果的にはコミュニティとの対立を招く形になっています。
Switch 2の画面性能とMario Kart Worldのアップデート、いずれもNintendoにとっては強い反発を受ける要因となっており、今後の対応が注目されます。